故人が祖母・頑固な性格・芸術が趣味だった場合の喪主挨拶の例文です。

喪主が葬儀のスピーチをしている画像
喪主挨拶の例文
故人:祖母 | 性格:頑固 | 趣味:料理

本日は皆様お忙しいところ、祖母○○の葬儀にご会葬くださり誠にありがとうございました。
私は孫の〇〇と申します。
親族を代表してご挨拶させていただきます。
おかげさまで、無事葬儀を執り行うことができました。
生前に賜りましたご厚誼に祖母に代わりまして、心より感謝申し上げます。

祖母は7月20日に、入院していた病院で、家族親族に囲まれて眠るように亡くなりました。
最初は風邪かと思っていたのですが、検査をしてみると癌が見つかりまして、それが全身に転移していて手の施しようがないと言われました。
頑固な祖母でしたので、痛みはあったはずなのに、心配かけまいと一言も家族に言わず我慢していたのでしょう。
本当に長い入院生活でした。
病院食が不味いからと母が食事を作っていくなどしていたために看病疲れで寝込んでからは、大変だと親族みんなで交替してつきそってくれました。
お医者様からは「なんで生きているかわからない」と言われるほど衰弱をしていたはずなのですが、亡くなる日の午前中まで病室のトイレに支えられながらも自力で行くほど、オムツを断固拒否しておりました。
すごい気力だと思います。

そして親族全員が揃うまで、波がありましたが息を引き取ることなく待っていたというのは頑固な祖母らしい最期でした。
なにが祖母をそこまで生きながらえさせたかというと、描きかけの油絵を完成させたかったのではないかと思います。
入院した最初の頃に意識不明となった時がありまして、みんなが集まって心配していましたのに、祖母は意識が戻るやいなや「あの絵と画材をもってきなさい」と言い出して、家族一同唖然としました。
気分はほとんど吉本新喜劇のズッコケみたいな感じでした。
油絵ですので嗅いがもの凄いので絶対に無理だと言ったのですが、主治医の先生は苦笑して「個室でならばいいです」と言ってくれました。
たぶんそんなに長くなく、絵など描けないと思ったからだと思います。
しかしそれからずいぶんの時間が過ぎて、病院には本当にご迷惑をおかけしてしまいまして申し訳なかったです。
主治医の先生も言うんじゃなかったと後悔されたのではないかと思います。
いくら感謝しても足りません。
ありがとうございました。

一日一筆の時も描けない時もありましたが、おかげさまで絵は完成いたしました。
描き上げた満足感のまま旅立っていきましたので、本人は心残りはひとつもなかったと思います。
霊前に飾っております家族の絵がそれでございます。
これは祖父が亡くなる前に撮った家族写真を油絵にしたもので、祖母にとっては一番の思い出があったのだろうと思います。
祖母は小学校の時から女学校卒業まで絵画コンクールで金賞をもらったというのが自慢でした。
しかし学校を出ると祖父と見合い結婚をして子供ができて、絵など描く余裕がなかったと思います。
そのぶん父などは夏休みの図工の宿題などの指導がかなり厳しく、納得がいくまで何枚も描かされたと言っています。
おかげで絵は祖母と同じく毎年絵画コンクールで全国までいき、父の現在の仕事となったのですから凄いです。
祖母も時代が時代でしたら、そういう仕事をしていたのではないかと思うことがあります。
再び筆を取るようになったのは、一番下の叔母が高校に入ってからだと聞いております。
子育ての時間に余裕ができ、駅前のカルチャースクールができたのがきっかけとなったそうです。
最初は水彩画にしようと思ったそうですが、どうせならば新しいものに挑戦したいと思い、日本画や水墨画なども考えたそうですが油絵に決めたそうです。

絵は上手でしたが基礎のデッサンなど初めての経験だったので完全にはまりこんでしまい、家を新築する時には絵を描くためのアトリエを作ってくれるように頼んだそうです。
祖母は嫌々作ってくれたと言っていましたが、祖父は私に「あの油絵の嗅いがたまらんから、かえって助かった。内緒だぞ」と教えてくれました。
水を得た魚のように祖母は一日中アトリエに籠もって描きまくりまして、外出するのは食料などの買い物と教室に行く時だけという毎日を過ごしていました。
さすがに祖父があきれて「身体を壊すからいいかげんにしろ」と言ってましたが、馬耳東風とばかりに聞く耳を持たなかったそうです。
まあ、そう言っていた祖父のほうが先に逝ってしまったのですが。世の中分からないものです。

その甲斐があってか、市の芸術祭や県のコンクールで賞を取りました。
祖母の母校で今の〇〇高校に寄進しまして正面玄関に入ったところに飾られています。
いつか私は、分野は違いますが、祖母と父の「母子展」をどこかでしたいものだと思っています。
その時は皆様がたお誘い合わせの上ご覧頂きまして、祖母を偲んで生前の思い出話などをご一緒にさせていただけましたら幸甚です。
簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。

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