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故人が祖母・物静かな性格・料理が趣味だった場合の喪主挨拶の例文です。

喪主が葬儀のスピーチをしている画像
喪主挨拶の例文
故人:祖母 | 性格:物静か | 趣味:料理

本日は皆様お忙しいところ、祖母○○の葬儀にご会葬くださり誠にありがとうございました。
私は孫の〇〇と申します。親族を代表してご挨拶させていただきます。
おかげさまで、無事葬儀を執り行うことができました。
生前に賜りましたご厚誼に祖母に代わりまして、心より感謝申し上げます。

去る7月23日の夕食に、いつのもように座椅子に座って好物だったお刺身を食べ「ああ美味しかった」と言ったきり、話しかけても返事がないので、慌てて救急車を呼んで病院に搬送しましたが、二度と目が覚めることがなく眠るように亡くなりました。
最期に好きなものを食べて、満足して苦しまずに亡くなりましたのが、せめてもの救いでした。
物静かな祖母でしたが、亡くなる時まで静かに逝ってしまうというのは、祖母らしいといえばそうなのですが残された者達は未だに信じられない気持ちです。

祖母は共稼ぎで忙しい両親にかわって私を育ててくれました。
祖母がいてくれたおかげで、少しもさみしいと思ったことがありませんでした。
本当に感謝しています。
物静かで怒ったことがほとんどなかった祖母ですが、一度どうしても欲しいものがあってコッソリ財布からお金を取ろうとしたことがありました。
その時だけはもの凄い剣幕で怒られてとても怖かったです。
ふだん怒らない人が怒るとこんなに怖いものだと身にしみました。
おかげでぐれることもなくまっすぐに育つことができました。
そしてとても料理が上手で、あまりいらないことは言わない物静かな人でしたが、とても面倒見がよく、同じように親が働いていて大変な近所の子供たちも集めて、美味しいごはんを食べさせてくれました。
お母さん達はいつも「お婆ちゃんがいなかったら、子供はこんなに元気に育つことができませんでした」と感謝していました。
おかげでみんな丸々と太ってしまい、先生達が「おまえのお婆ちゃんの料理は美味いらしいな、先生も食べに行きたいなあ」と笑ったくらいでした。
ところが言うだけかと思っていたら先生はお給料前になると、祖母にさりげなく誘われたとかで、何度か食べに来たことがあります。
いつも「美味しい、美味しい」とベタ褒めで、数年後に「お婆ちゃんのような人を見つけた」と料理上手の奥さんと結婚したと報告に来ました。

私達が大きくなって人数が少なくなってきた頃に「なんだか寂しくなってきたね」と言うと「たくさんの料理を作ってきていたから、少数人数分の料理なんか作れないわ」と、今度は独り暮らしの人たちを集めて夕食会を毎日するようになりました。
パートナーが亡くなって家に引きこもりになっていた人や、ずっとテレビを見続けていて痴呆になりかけていた人など、コンビニのお弁当とかで栄養が偏っているだろう人たち一人一人に声をかけて、少しずつ人数が集まるようになっていました。
その夕食会に参加するには条件がひとつあったそうです。
「なんでもいいから、必ず一品持ってくること」でした。
ミカンやリンゴひとつでも、食パン一袋でもよかったそうです。たぶん誰でも気兼ねなく来られるようにと祖母が考えたのだと思います。
昔は子供たちばかりが集まってゲームとかしていた居間は、子供たちに混ざって年配の方々の町内サロンみたいになっていました。
そして今では私を含めて帰ってきた両親たちも混ざって、いつのまにか床の間にセットされているという、どこかの家から持ってきたらしいカラオケをしながら毎日宴会のような家になってしまいました。

ある日のことです。お仲間のひとりが連絡もなく来られなかったことがありました。
するとその人の家にみんなで押しかけて、管理人さんにドアを開けてもらったら玄関で倒れていて、あと数時間遅かったら危なかったと医者に言われたということもありました。
祖母はいつしか「〇〇町のゴッドマザー」とか「グランドマザー」とか「〇〇町のおっかさん」とか言われていたようですが、けっして仕切ったり偉そうにすることもなく、皆様ご存知のように静かに微笑んで、お茶をいれてみんなに配っているような人でした。
そんな祖母が、愛していた皆様に囲まれて静かに旅立ったというのは、本人にとってはこの上もない幸せだったのではないかと思います。

あまりにあっさりと亡くなってしまったので、はっきり言ってまわりは何が起こったのかとショックで大騒ぎになりましたが、本人は黙っていつものように微笑んでいるのではないでしょうか?
それで町内サロンの今後のことなのですが、ちょうど数年前に退職して手伝っていた、そこで泣いている母が「皆様よろしければ、今まで通りにおいでください」と言っていますので、いつものように集まって宴会してくれましたら、祖母も大変喜ぶことと思いますので、今後ともよろしくお願いします。
つたない挨拶ではありましたが、ご拝聴ありがとうございました。
本日はありがとうございました。

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