故人が息子・頑固な性格・スポーツが趣味だった場合の喪主挨拶の例文です。

喪主が葬儀のスピーチをしている画像
喪主挨拶の例文
故人:息子 | 性格:頑固 | 趣味:スポーツ

本日はお忙しい中、息子○○の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございます。
遺族、親戚を代表しまして、一言ごあいさつ申し上げます。

息子は小学校のバスケットクラブからはじまって、大学にスポーツ推薦で入れるほどのバスケットボール漬けの毎日を送ってきました。
夢はNBAというブロのバスケットボール連盟のチームに入ることでした。
その夢をかなえようと1度見学に行くと言っていた時に、息子は交通事故にあいました。

その時は医師から「生きているのが不思議」というほど、全身の骨が折れて内臓に刺さっているところもあったりという状態でした。
息子はなんとかその危機から生還することはできたのですが、脊椎の損傷は重度なもので下半身マヒとなってしまいました。
夢に手が届きそうになっていた時のあまりのショックな出来事に、本人は「命が助かっただけもありがたい」と口では言ってはいたものの、夜も寝られなくなっていたようで、睡眠不足からの食欲不振でリハビリ中に倒れてしまいました。

気鬱でものを言わなくなっていた息子に、倒れたのがきっかけで担当になられた心療内科の先生が「これを読んだらどうか」と、ある本を渡してくれました。
「バスケットボールの漫画なんだけどね」と言われた息子は「今はそんなものを読みたくないです」と答えたそうです。
「スラムダンクの作者が新しい話を連載し始めてね。きっと君の気に入ると思うんだけど」と、あまりにも熱心に薦めるので息子は嫌々受け取ったそうです。
息子がバスケットボールをはじめたのは「スラムダンク」という漫画を読んだのがきっかけでしたので、興味が出たのかもしれません。

その本の題名は「リアル」といいまして車椅子バスケが題材の本でした。
その頃はまだ車椅子バスケというものは一般には知られていませんでした。
息子も存在は知ってはいたようですが、自分のことに一生懸命で詳しくは知らなかったようです。
先生が貸してくださった3巻目から出てきたバスケットボールの天才で、同じように脊椎損傷になった高橋というキャラクターに感情移入した息子は、次の日に先生に続きは?と聞いたそうです。
その時はまだ続刊が出ていませんでしたので息子はガッカリしたようですが「自分がリアル高橋になる」と、昨日まで死にそうになっていたくせに一転してリハビリにせいを出すようになりました。

息子がリハビリのために転院していたリハビリテーションセンターには体育館があり、色々な障害者のためのスポーツ施設がありました。
中でも車椅子バスケは何チームかが利用していたようで、ようやく自力で車椅子で移動に出かけるようになると何度も見学に行っていたそうです。
リハビリが進み医師からの許可が出て、始めてコートに入った日のことを息子は何度も話してくれました。
それこそNBAに行こうとしていた自分は、車椅子バスケを半ば舐めてかかっていたそうです。
しかし、もの凄いスピード感と重量感に圧倒されてしまい、ほとんど一歩も動けなかったそうです。

今まで事故にあって動けなくなった可哀想な人と思っていた自分を笑うかのように、同じように動けない人たちが生き生きと動き回っているのを見た時、動けなくなったのは可哀想なことではない、まだやれるという生きる希望を与えてくれたそうです。
あれから15年、毎年出版されるリアルと共に息子は生きてきました。
イチオシだった高橋が車椅子バスケを始めた時などは、自分と重なったのか号泣していました。
その年月の中で知り合った〇〇さんと結婚した時は、本当に信じられませんでした。
おまけに子供までできたことは未だに嘘のようです。

そんな息子が突然血を吐いて入院した時は、家族一同とてもショックでした。
下半身がマヒしているので痛みが感じられなかったそうです。
定期検診も〇〇さんには行ったと嘘をついて「こんなに元気なんだから大丈夫」と思い込んで行っていなかったそうです。
医師の話では初期段階に見つかっていたら助かる命だったそうです。
親となったのですから、そういうことはちゃんとして欲しかったと悔やまれます。
私はこの頑固な馬鹿者に、はじめて手を上げました。
本当に悔しかったです。
息子も泣いていました。

ご参列くださった方々、また来られなかった方々からもたくさんのお言葉をいただきました。
色々な方に支えらたバカ息子は幸せだったと思います。
本当に生前のご厚情にあつくお礼申し上げます。
これからもチーム〇〇のご活躍を心から応援しています。
息子もきっとあの世から見守っているかと思います。
がんばってください。

孫の〇〇も、小学生となり父親のような選手になるのだとバスケットボールを始めました。
皆様からのご教授ご指導いただけたら幸甚かと思いますので、よろしくお願いします。
簡単ではありましたが、ご挨拶とさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。

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