葬儀の専門用語 / 結界とは
結界(けっかい)とは、一般的に聖域とそれ以外の区域を隔てるために設けられる境界のことを言います。
身近な例で言いますと、地域の神社でお祭りが行なわれるときに町内に注連縄(しめなわ)が張り巡らされますが、この注連縄が結界です。
お祭りが行なわれる地域が聖域であることを示し、不浄な物事の侵入を防ぐ意味があります。
葬儀においては、神道では注連縄、仏式では幕によって結界が設けられます。
ただし、結界は本来仏教用語であり、寺院において僧侶が修行をするにあたり生活範囲を定め、一定区域には修行の邪魔になる酒や肉など俗世間の物から隔離する意味で使われる言葉です。
さらに結界について起源を辿りますと、仏教発祥の地まで遡ることになります。
仏教発祥の地であるインドでは、僧侶の修行は個々人で行うのではなく集団で行うものでした。
この集団は「サンガ」と呼ばれ、共に修行をするチームです。
そしてこの集団ごとにそれぞれ修行や生活を行う地域を定めていました。
「どこから、どこまでの地域」と定める際、この「どこ」という地点のことが「界(かい)」で、界を結ぶことで「結界」となったのです。
結界とは、本来の意味とは異なりますが、現在のところ一般的には聖域の内側と外側を示す境界のことを意味しています。