葬儀の専門用語 / 忌明けとは
忌明け(きあけ)とは、忌中(故人を悼み想うこと、及び神仏や御霊に祈り、慰め、崇めることに専念する期間)を終えることです。
また、神道の考え方で忌中の間は、死の穢れに侵された不浄な状態であるということから、不幸のあった遺族親族を社会から隔離するという意味もありました。
ひと昔前までは、忌明けするまでは自宅に籠り、殺生をしない(肉食をしない)精進料理を食し、社会から一線を引いて生活するものとされていましたが、現代はそこまで厳粛な縛りは無くなっています。
一般的には、仏教の場合は四十九日、神道の場合は五十日をもって忌明けとされています。
仏式において「忌中払い」と称して行う会食は、この忌明けのときに行う会食です。
ただし本来、「忌」の考え方は死を穢れとして捉え、不吉なものとして避ける神道の考え方です。
しかし、神道そのものが忌中や忌明けの教えを示しているわけではありません。
神社本庁でも『「服忌」については、地域に慣例がある場合、その慣例に従うのが適切です。
特に慣例がない場合には、五十日祭までが「忌」の期間、一年祭(一周忌)までを「服」の期間とするのが一般的でしょう。』と案内しています。
(引用:神社本庁 コラム 服忌について )
仏教の教義にも、忌中や忌明けという考え方はそもそもありません。
忌中や忌明けに限らず日本の仏教は、元々根付いていた神道や神道に基づく民間風習が入り混じった状態で浸透しているのです。
仏教でも特に浄土真宗では忌中、忌明けという考え方を否定しています。
もちろんキリスト教でも忌明けというものはありません。
したがいまして、忌中や忌明けというものは、各宗教宗派の教義によるものではなく、あくまで慣習として根付いているものであるため、地域によっても忌中や忌明けに関する考え方は様々です。
たとえば地域によっては、仏式で初七日法要を行う7日目に忌明けとするところもあります。
いつ忌明けするかは、宗教宗派や地域によって異なりますので、葬儀を依頼した寺院や神社などへ確認することが無難でしょう。